新海誠という大人からのメッセージ『天気の子』
よーーーーーーーーーーーーーーやっと観ましたよ天気の子!!!
今年絶対観るリストに入ってたのに遅れに遅れてこんなになっちゃいました…
前作『君の名は』で一気に知名度が増した新海誠は今度はセカイ系?のような作品を作ったみたいで思わず「昔の新海誠が戻ってきたのか!?」なんて思ったりしましたが果たしてどうなのか!?!?
前作『君の名は』とも過去作『ほしのこえ』『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』とも違った、随分とすっきりさっぱりした映画だったなぁと思いました。
セカイ系かと思ったら逆で。個人的にセカイ系の定義は「2〜数人の閉じたコミュニティが世界の命運と繋がっている」物だと思っているので、要は社会を描かない内容になるんですね。
でも今作は違って、主人公が社会に真っ向から立ち向かう。ボーイミーツガールな物語に『万引き家族』のような疑似家族モノを混ぜ込んで、社会から弾かれた者が東京の行方を握ることになる。開かれたセカイ系とも言えるような内容に仕上がっていたと思います。
しかも今作はそのセカイ系を経由しながらセカイ系の先を見せてくれるような展開をしていくのも非常に興味深いと思いました!まさに作家性とはこのことだと思います。
さらに新海監督のインタビューを読むと軒並み「社会や大人のしがらみを乗り越えて、自分に正直になってセカイを飛び越えていけ」という、かつてセカイ系を見ていたであろう大人が、セカイ系の文法の先を描いて、より若い世代へのエールを送っているものになっていると思いました。
それは今まで男女の純粋な気持ちをあまりにも無垢な状態で描いてきた、その真っ直ぐな気持ちにずっと憧れを抱いてきた大人が、そこから卒業して、かつての自分と同じような思いを抱いているであろうアンビバレントな人たちへの肯定と後押しをするような作品へと進化していたので、そのあまりの変わりぶりに「あれ?今までと違うなぁ」という違和感を覚えたのかなぁと思っています。
絵のクオリティもは相変わらず抜群で、雲や水といった新海監督作で特徴的なモチーフがたくさん出てくるので、見ているだけで幸せな気分になりました。
あと新宿の描き方も見ている時にまったく同じ場所が簡単に思い出せるトレース力も凄まじいな!と改めて思い知らされました。
今回キャラデザは前作と同じ田中将賀ですが作監が田村篤という別の方になっていたからか、表情がより豊かで“いい意味で”原案に囚われない崩しをしていたのも印象的でした。
あとタイアップ!カップヌードルやチキンラーメンといった日清食品やメーカーズマークや角、オールドといったサントリーウイスキーも出てきたりと、急に無理くり出てくるのではなく生活に根ざした位置で出てくるので、見つけた時のおっ!という感じもちょうどいいと思いました。もちろん帰ってからメーカーズマーク 飲みました笑。
また、『君の名は』で言の葉の庭のユキノ先生が出てきたサプライズがありましたが、今作でも瀧くんや三葉、てっしーやさやかといった面々が出てきたのはすごく嬉しかったです!(四葉だけわかりませんでした…笑)
新海誠ユニバースとでも言うような、この世界線は連綿と続いているんだなぁという広がりが持ててすごく好きなので次作でも続けてほしいです!
『君の名は』のような明快さ・豪快さとは違った、自然の美しさや空気の冷たさといったような静的な表現が映える、新海誠の別の面が見えたような映画でした!
『天気の子』観た
— バシ (@bashix4) September 9, 2019
新海誠の作品で初めてかもしれん…感想が難しいヤツ!もう一回観たらいろいろまとまる気がする
新海の作家性である純粋さと変えられない現実が真っ向からぶつかってる様な、でも鑑賞後感は思いの外あっさりしてたんだよなぁ
社会からはみ出して生きてる所とかは万引き家族思い出した pic.twitter.com/XFRETWylZV
歴代興収3位になった超大ヒット作
個人的に一番好きな新海誠作品
類似性のある作品。新海監督も「やりたいなーと思ってたことを先にやられた」と思ったそうな。
今作で出てくるニクいタイアップ
バーボンウイスキー メーカーズマーク [ ウイスキー アメリカ合衆国 700ml ]
- 出版社/メーカー: サントリー
- 発売日: 2017/02/21
- メディア: 食品&飲料
- この商品を含むブログを見る