バシブロ

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映画・アニメ・音楽・本などのカルチャーいろいろとざっくばらんに

3枚の看板と約30枚の記事に関する雑感

年明けすぐに話題になった下記ブログの一連の内容と反応、それに対しての今更ながらの雑感まとめです。

okaemonblog.jugem.jp

 

一応スリービルボードのあらすじ(公式から引用)

メリカのミズーリ州の田舎町を貫く道路に並ぶ、3枚の広告看板。そこには、地元警察への批判メッセージが書かれていた。7カ月前に何者かに娘を殺されたミルドレッドが、何の進展もない捜査状況に腹を立て、警察署長にケンカを売ったのだ。署長を敬愛する部下や、町の人々から抗議を受けるも、一歩も引かないミルドレッド。町中が彼女を敵視するなか、次々と不穏な事件が起こり始め、事態は予想外の方向へと向かい始める……。

www.foxmovies-jp.com

 ・ブログを始めて読んだときの感想

最初にツイッターで話題になって回ってきたときに読んだときは「うわー面白い!」と素直に思いました。

確かに途中途中でん?と思ったりこじつけに感じる部分もありましたが、その圧倒的な文量と情報量、煙に巻くような掛け合いによって「そうか!真犯人はコイツだったのかー!」とすっかり鵜呑みになっていました。

具体的に例えると下記画像のような状態ですね

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・拡散から「肯定派」と「否定派」へ

その後どんどん当該記事がRTされていき多くの人の目に届いていくにつれ、「これは書籍化していいレベル」「お金とれる」といった絶賛派と「この映画は犯人探しが本筋ではない」「こじつけがすぎる」といった否定派で二分化しました。

また書き手のtwitterを覗いてみるとなかなかに自己愛が強そうな方なのもあってか、肯定と否定それぞれに対して拍車がかかり「真犯人がどうでもいいとか負け犬の遠吠え」「あんな怪文書を信じるなんて大丈夫?」という飛び火、人によっては人格否定にまで及ぶ始末になってしまっていると感じました。

 

・そして炎上へ…

肯定派も否定派もますます過激になり、肯定派は宣伝をしていき否定派はブログにアンチコメントをしていく様相になりました。

特にアンチが相当荒らし・twitterでの批判が多かったのかブログ主が「ブログ閉鎖します」など言い出すまでになりました。(2019/1/19日時点では稼働中)

また「映画そのものを観ていない」という話まで浮上し、事態は更に悪い方向へと進んでいきました。

 

現在は本編も鑑賞済、その上での記事を執筆中なので状況は少し変わっています。ただ騒ぎが沈静化したせいかPVは全然伸びてないそうですが。

 

・今回の出来事で思ったこと

まず、最終的な自分のスタンスは「事実かどうかは置いといて、空想科学読本のような感覚で読めば面白い」という所です。

これはブログ主が「ネタである」ということを言っている以上、いかに文章が断定的であろうとも、それすらも作家性という物のうちに入ってしまえばそれまでの事。

内容は大きく異なりますが、作家の平山夢明さん(著作に独白するユニバーサル横メルカトル、ダイナーなど)もデルモンテ平山名義で観ていない映画の批評をする、という例もあればアメリカのラジオドラマで流したH.G.ウェルズ宇宙戦争の例もあるので「こんなのデタラメだ!」と真面目に受け取る方がかえってモヤモヤが晴れないとも思いますし。

それよりも当該記事が掲載された事によって、それを受けた個々人が擁護したり、攻撃したりする様や「怒りが怒りを来す」構造など、まるでブログが取り上げている映画「スリービルボード」そのものの様相を呈している事の方が興味深いと思いました。

少し長くなりましたが、最後にこういった出来事がある度に思い出す言葉を書いて終わりたいと思います。

「うそをうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」

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