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此処にひとりの男あり『宮本から君へ』

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2019年に邦画好きがこぞって「傑作!」とツイートし、まだ観ていない事を伝えたら「観て!」「ドラマから観て!」と激推しされたので、ドラマ版からちゃんと鑑賞して劇場版を観ました!!!

 


映画『宮本から君へ』本予告

 

 

最初に言いますね、5億点です!!!

人物の人間味たるや凄まじく、それでいて身勝手。しかしだからこそ生まれるぶつかり、躍動、むきだしの姿がまぶしく、エネルギーに満ち溢れている!!

 

演者は全員言うことなし!!!池松壮亮はもちろんの事、蒼井優井浦新・一ノ瀬ワタル・ピエール瀧・佐藤二郎にドラマ版続投組も全員気合いの入ったいい演技!!!特筆すべきは蒼井優であんなに「立った」人物像を作り上げた事は凄すぎる!!井浦新は『止められるか俺たちを』の深作監督ばりのやさぐれ演技を見せてくれます。もちろん池松壮亮は宮本さが更にまして思わず笑っちゃう程の憑依ぶり、ガムシャラぶりをやっています。ピエール瀧と佐藤二郎の立ち位置も絶妙ですし、一ノ瀬ワタルの存在感もすごい!

 

ドラマ版からそうだけど、一貫して“社会の理不尽と戦う”事が主軸にあり、それを肯定するだけでなく倫理や手打ちどころ等といった部分での往生際の悪さや身勝手さといった否定的な部分もきっちり盛り込んでいて、だからこそ「ひとりの男がバカまっすぐに生きる姿」に魂が宿ると思うのです!!!!

 

今作の展開はかなりリアルなので、思いやりや面と向かったやりとりもあれば、社会の恐ろしさ、やりきれなさ、どうしようもなさも同時にまざまざと見せつけてくるんですが(言葉を失う程に)、だからこそ現実的なやり方は本当に他にいくらでもあるし、むしろ宮本のやる事や選択はものすごくリスキーで、側から見れば非常に愚かだと思います。

でも、たとえちっぽけでも、人生において絶対に譲れない場面や瞬間、それこそ命をかけて一歩も引けない所はあって、今作はその生きていく中で出会うか出会わないかの一瞬の出来事を収めているような、そんな普遍性を持ち得た作品だと思います!

 

「プライド」って厄介な物で、側から見れば本当に余計な物で、そのせいで空回ったりするし、うまくいかなかったりするんですが、それがあって初めて人間臭さが出る、簡単に捨て去る事ができない物、また認めてもらう為にも必要な物ですよね。その“めんどくささ”がありありと映し出される。

だから宮本は文字通り戦うんですが、それは目に見える物だけじゃあない。そしてそれは宮本だけでは勿論ない。それを描いてくれているからこそ、こんなにも心震えるのだと思います。

 

目の前でひとりの少年が男になっていく様を見たら、そんなの感動するに決まってるじゃあないですかああああああああああああ宮本おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

これ“宮本応援上映”とかしたら絶対アツいと思う。

 

ちなみにドラマ版は観なくても今作は成立するとは思いますが、観た方がより宮本の今までや松ケンとのやりとり、会社の面々の立ち位置などがわかると思うので是非観て欲しいです!個人的にドラマ版は“新卒社会人宮本”が見れるのでメチャクチャおすすめです!!仕事の酸いも甘いも(主に酸いけど)、若さも愚鈍さも充分味わえる6時間なので!

 

 

 アマプラならドラマ版あるから観やすいよ!!マツケンとの先輩後輩タッグの仕事エピソードが胸熱!!

第01話

第01話

  • 発売日: 2018/04/07
  • メディア: Prime Video