大切な岐路『マリッジ・ストーリー』
配信作品ながらもゴールデングローブ賞最多ノミネートで湧く今作!家庭持ちとしてどんなんだ?そしてスカヨハとアダムドライバーの夫婦モノって設定も惹かれる!ということで観てみました!
実は今作を観るつい数時間前まで大喧嘩をしていまして(笑)それこそ劇中さながらな怒号の嵐だった訳ですが、仲直りしてひと段落ついてから一緒に観た今作のちょうどよさ(笑)
まるで自分たちの結婚生活でも照らし合わせているかのような場面の連続でした。
予告でも出ていますが、お互いのいい所を挙げるといっぱい出てくるんですよ。子供が8歳なのでおそらく10年前後一緒だと思うんですが、そりゃそんだけ長いこと一緒にいれば色々気づく所は多いだろうと。
ただその分衝突が多い所は分かり合えない部分も多くて、その結果「大嫌い!」なんてモノを通り越して「あーこの溝とどうやって折り合いを付けていこうか…」にシフトしていくのが夫婦関係ってモンなんですよ!(超主観)
だから離婚!ってなるときも多分二度と会うか!じゃあなくてお互いの道が分かれただけ…って感覚になると思うんです。アナタの事は嫌いじゃあない。ただ一緒に生活を共にする事が向いてなかっただけっていう。
そして今作はまさにそんなカンジの映画になっていて、お互いがお互いの良き理解者であるし、それでも解消できない“何か”はあったんだろうなっていうのは分かるんですよ。
しかしそこに親類や離婚調停や弁護士など他の物が入り込むほどお互いの対話から勝ち負けへとすり替わり、大事なこと、大切なものがどんどん不透明になっていくんですね。特に法廷でのシーンで明白なように視覚的にそれも表されています。
また荒いフィルムのような質感も今作が普遍的な物語である事に一役買っていると思います。
そしてそこに監督であるノア・バームバックの遍歴を重ねると今作の味わいもまた格別なものになります。wikiを見るだけでも充分なのですが
・女優のジェニファー・ジェイソン・リーと2005年に結婚、2013年に離婚。
・2011年にグレタ・ガーウィグと交際が始まり、現在もパートナーの関係にある(結婚はしていない)
・グレタは2010年にバームバック監督作に出演し、数々の賞を獲得し注目の的に。その後“ミニシアターの女王”と言われるまでの活躍ぶりをし、2017年には初監督作を発表、アカデミー賞にノミネートされる程の評判を得る。
上記の事実を知った上で観ると、もはやこれは半自伝的フィクションと言っても過言ではないのでは?という内容になっています。
”結婚はいいものだ”というような教訓めいたものではなく、人の営みを映してその尊さを称えるような作品。離婚話だけどカップル・夫婦で観ることをオススメします!
『マリッジ・ストーリー』観た
— バシ (@bashix4) 2019年12月23日
こんなにも鑑賞後感が柔らかな離婚話もそうそうない
離婚っていがみ合ってなるモノじゃあなくて、“ただ合わない部分があるだけ”の結果で起こるもので、その機微がむちゃくちゃリアルに描かれているなぁと感心しきり
夫婦で観たけどあるある映画でもあったし面白かった! pic.twitter.com/eiJYn2f3GC
今作で思い出した作品