呪いを解き放て!『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』
結局2019年には間に合わず…年明け一発目に鑑賞と相成りました。
でも縁起がいいからいっか!やっちゃおう!!
「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」最後の予告篇 世界同時解禁
世間では賛否両論だけど(ep8でも見た光景)自分は”賛“でした!
今作を観て、スターウォーズの新三部作は「過去との因縁を断ち切る話」なんだと思いました。血統・伝統・サーガ・SWそのものがもつイメージなど、ありとあらゆる"呪い"からSWを自由にさせるための物語だったのかな、と。
ep9はひとまずの終幕という位置にはありますが、今作のみならずep7から一貫して「ジェダイとシス」という2つの因果にケリをつけ、新たな歴史を創造する、という大テーマがハッキリと示されていると思っていて、それ故に映画的に荒い部分やキャラの動かし方が雑といった欠点を持ち合わせてはいますが、作り手たちはそこの部分をあえて"負うべきリスク"として捉え、自分たちが掲げた一大テーマに向かって大博打を仕掛け、ひたすらに邁進していると思いました。だからめちゃくちゃエモいんじゃあないかなと。
ただep8はその雑な部分が顕著に表れすぎて「エモはすごいが話はダメ」というバランスの崩れたものになっていましたが、ep9はその体裁はある程度作られているように調整していると思います。だからフレアレンズやズーム風カメラなどJJらしさは鳴りを潜めていますし、話も一本筋でわかりやすいです。
まぁ一本筋すぎてキャラクターやストーリーがテーマの為のツールに見えてきてしまう部分もあるので、凡庸で没個性と言われればそれまでですが。
確かに最初の30分くらいまでは「これスターウォーズじゃあなくてもよくね?」と思って観ていたんですが、中盤以降からだんだん”スターウォーズ"という積み上げてきたものと決別する覚悟の重さが伝わってきたので、だんだん「再スタートを切る事に対してこんなにも意義のあるテーマをスターウォーズでやるなんて!」と思うように変わっていきました。
だからファンが反発する理由もわかるんですよ。さながら『ピープルvsジョージルーカス』のep4完全版の対立のような事象が起きているんだろうな、と思っていて。ハンソロの描き方ひとつであんなにも怒りが露わになるんだから、そりゃ今作に怒るのも無理はないだろうな、と。
先ほど欠点として挙げた「キャラやストーリーが製作者たちの道具と化している」部分が、それこそスターウォーズを愛してきた人たちに対する無礼になってしまう。やりたいことは賛成だけどそういう事をするなら別にやらなくていい、という状態になっているんじゃあないかな。
観ていて思ったのは「これエヴァ新劇場版の流れと同じじゃん!」というもので、あちらも"エヴァンゲリオン"という未完成のマスターピースに終止符を打つために、ベースをなぞりながらも新しい展開をしていましたが、その歪さやストーリーの出来等にファンから不満の声が続出したという、今作でもまったく同じ現象が生まれていると感じました。
個人的にQは「アニメで不満を漏らし、旧劇を観ても納得しないファンをシンジ君に見立てて庵野監督が"お前らがやってる事ってこういう事だぞ!"と怒りを表明している」作品だと思っているので、その部分でもep9は近いところがあるんじゃあないかと考えていました。
今後どう展開していくのかはまったくの未知数ですが、今三部作のいったんの幕引きに「あぁ終わったなぁ」という思いを感じつつ、次回をぼんやり待つことにします。
『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』観た
— バシ (@bashix4) 2020年1月14日
よかった!!何者でもなかった者達が大いなる因果に決着をつけるっていう大テーマが力強く輝いてた!
あまりの眩さにep8が消しとんだ気がするけどw
ストーリー的な部分とかキャラの動きでアレな所はあるけども、そのチャレンジ精神に負けたわ! pic.twitter.com/r0wiuE9Qrm
連想した作品。
リアルSW戦争。ファンじゃあなくても面白い!