解けた魔法 解けない魔法『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
本当は2018年内に観ておきたかったけど時間の都合で間に合わず…だいぶ遅れたけど観ましたよ
5/12(土)公開『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』本予告
冒頭のクソガキ度合いとモーテルなのに住居になってる荒れっぷり、そこで生活している大人たちのその日暮らし感とか、これが"ディズニーの近所"という驚きとフォーカスの当て方が「その中で暮らしている一家族を無作為に選んでいる」というのが伝わってきて、これと万引き家族が近い日に公開されてたとか…ハシゴしたら面白そうだなぁーなんて思ったりしました。
しかも映画本編中にはディズニーっぽさが少しだけしか出てこないし、だけど近所だから建物は合わせたようにめっちゃ派手っていうのが皮肉をより増長させる。
なのにそこで生活をしている本人達は全然不幸せそうに見えない不思議。例えるなら「京都の祇園で暮らす貧困層」ってカンジかな?
やっぱり万引き家族というか是枝作品の「怒り」の映画、ひいては最近ちょくちょく見る、一方向からしか見ていないが故の現実に対してだったり、より社会的弱者に石を投げていく風潮だったりする事実に「それはどうなのか?」と問いを投げかけてくるものだったし、劇中で本当に本当に言動とか立ち振る舞いはあるにしても、そこまで問題ない、自分たちと変わらない生活をしているのに、なぜディズニーランドの外観のように見た目だけで判断されるのか。
日常が現実によってどんどん追い込まれていく展開はホントにうわー…って思いながら見てたし、「普通」を描いているからこそ、そのメッセージがより強く感じる作品でした。
あと管理人めっちゃいい人…メインで出てくる人がシングルマザーばっかりだからだと思うけど、完全に父親としての振る舞いをしていて、間違った事をすれば怒るし、危機が迫れば立ち向かうし、警察にも頭を下げる、管理人という立場を越えたこのコミュニティの中での唯一の良心って感じが見ていて安心感を覚えるほど。だからこそオーナーからの圧力や他のモーテルからの苦言だったりが哀しくなるんだけども。
改めて『万引き家族』と同時多発的に上映された意味を考えると、なんとも言えなくなる。そしてあそこの中にいる人達にちゃんと幸せな未来が訪れてくれる事を思うような映画でした。
フロリダプロジェクト観た
— バシ (@bashix4) 2019年2月1日
確かに万引き家族と似てるわ!
見た目は派手でハッピーに見えるけど、そこから抜け出すことができないホワイトトラッシュの現実があり、そんななかでも逞しく生きる人達
管理人のボビーがいい人すぎるしお母さんのナプキン貼りも最高だし子供の演技もすごいしで観てよかった pic.twitter.com/nyvxNWQpyq
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