私の頭の中の新宿『なっちゃんはまだ新宿』
アトロクの放課後クラウドで三宅隆太さんが2018年の3位に上げていた&以前ツイッターで激推ししている人がいたので気になっていたタイミングでツタヤの準新作100円クーポン配信。これは借りるしかない!と思い鑑賞しました。
久しぶりに邦画ミニシアター系観たけど、やっぱハマるといいね!
主人公が大好きな岡田の彼女"なっちゃん"がだんだん気になっていった末に「想像上のなっちゃん」が現れるようになり…という不思議な内容ですが、これが「青春時代の終わり」という部分にうまく関わっていてよかったです!
観終わった後は昔通っていた場所、会っていた友人、よく行ったお店から自分が知らないうちにずいぶん遠ざかっていた事を思い出させてくれて、それが寂しくもあり、いつの間にか大人になっていたことも実感させられました。
今作はMOOSIC LAB 2017で準グランプリを取っており、MOOSIC LABの企画テーマでもある「音楽と映像の融合」が今作では非常に魅力的になっていて、そのうえ大ヒット中の『ボヘミアン・ラプソディ』のように歌詞の内容と物語がシンクロしていたので、劇中演奏される楽曲が観ていてより深く奥に響いていくようでした。
あと単純に今作に出演しているアーティストPOLTAがすげータイプだっていうのも大きかったです。学生時代によく聞いていた下北沢+ガールポップ+サブカル感+優しく語りかけるような声質+日常の中でふとした瞬間に感じる無常感を描いたような歌詞世界という端的にいえば相対性理論を感じさせる音楽性も好みにめっちゃ刺さったので、それも要因のひとつにあると思います。
終盤のライブシーンはもうアーティストのライブビデオと遜色ない作りだったので、POLTAというバンドの魅力が十二分に発揮されていて、観終わった後には「POLTAのライブ行きてぇー下北沢シェルターとかで見てぇ」とすっかりファンになっていしまいました。
構成もよくできていて、前半の何気ない上に心地よいやりとりが実はかけがえのないものだったんだな、と後半になって感じさせる。故にそれを忘れていたことに絶望するし、ちゃんとケリをつけるため決断し行動を起こす。
側から見たら理不尽にみえるだろうけど、それは秋乃自身も気づいているし、だからといって無視できるほど器用でもない。
そのエモーションがぐんぐん上がっていってひとつの終焉を見せてくれるので、その終わり方もスッキリしていてよかったです。
あと編集がすっごく大胆で、そこでカットしてそこまで省略するんだ!みたいなものすごい勇気ある作りをしていて、しかもそれがプラスに働いているから新鮮みを感じたし、「こういう風にやっても成立するんだな」と感心しました。こういうのは若手でないと絶対できないと思うので、それだけでも観てよかったなーと思えました。
自分の中にも「新宿」はあるし、そこにいた人達は今でもいる。
あの頃聴いていた音楽や行っていた場所を改めて大切に思えた映画でした。
なっちゃんはまだ新宿、観た
— バシ (@bashix4) 2019年1月23日
あの頃いった場所、よく食事したお店、遊んだ友人、聴いた音楽
それは今でも心のどこかに居るし、きっとこれからも居てくれる
区切りをつけるのは寂しいけれど知らない内に忘れてしまうよりは別れを告げる方がずっといい
思ってる以上にエモーショナルでよかった! pic.twitter.com/ocP6VOWqQd
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